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鼻とアレルギーとにおいのコラム

鼻づまりの原因と治療法

以前から鼻がよくつまる、、数か月前からの鼻づまりが治らない、、

 

頑固な「鼻づまり」は、実は内服薬や点鼻薬だけでは治らないことが多いです。


鼻中隔弯曲症

鼻には左右、二つの孔があり、中の構造はほぼ対称な形をしていますが、間には鼻中隔という「ついたて」があります。この鼻中隔は、体の成長に伴い左右どちらかにたわみ(弯曲)ができてしまうことが多く、ヒトの90%以上はどちらかに弯曲していると言われています。この弯曲が強すぎることで鼻腔が物理的に狭くなってしまった状態を「鼻中隔弯曲症」と言います。鼻中隔弯曲があると左右の鼻腔の空気の通り方にアンバランスが生じ、弯曲が無い側、本来通り道としては十分広いはずの側の粘膜が代償性に腫れてしまい、慢性鼻炎化してくることも多く、両鼻ともつまってしまう傾向になります。

鼻中隔弯曲自体は手術以外に治す方法はありませんので、日常生活に支障がでてくるレベルの鼻づまりがある場合には、手術は有効です。鼻中隔矯正術(内視鏡下鼻中隔手術)という手術を行い、鼻の中で鼻中隔の弯曲を矯正します。

 

アレルギー性鼻炎 

ダニや花粉などを抗原(アレルゲン)として認識しておこるアレルギー反応が過度になり、鼻の炎症が続く状態がアレルギー性鼻炎です。くしゃみ・はなみず・はなづまりが3大症状と言われています。この炎症反応は鼻の中にある下鼻甲介という粘膜の「ひだ」で強くおこるのですが、長年アレルギー性鼻炎が続くと、下鼻甲介は過度に肥厚したままの状態になってしまい、鼻づまりが続きます。通常、まずは抗アレルギー薬などの内服や、鼻洗浄(鼻うがい)、ステロイド点鼻薬などを用いて治療をしていきますが、症状が続く場合は下鼻甲介をレーザーで焼灼する手術、下鼻甲介の骨を一部切除し肥厚した下鼻甲介のサイズを小さくする手術である粘膜下下鼻甲介骨切除術(内視鏡下鼻腔手術Ⅰ型)や下鼻甲介に分布する神経を切断して過度なアレルギー反応を減らす手術(後鼻神経切断術・経鼻腔翼突管神経切除術)を検討していくことになります。

(下鼻甲介に対するレーザー焼灼術は 耳鼻咽喉科いぐちクリニック http://iguchiclinic.jp/で行っています。)

 

薬剤性鼻炎 

長年鼻づまりで苦しまれている方の中には、薬局で売られている血管収縮剤の入った点鼻薬を使わないと寝られないといった方もいらっしゃいます。ただ、これは「薬剤性鼻炎」と呼ばれる下鼻甲介が過度に肥厚した状態にすでになっている可能性があります。 血管収縮剤の連用により下鼻甲介が鍛えられてしまい、収縮剤の無い状態では下鼻甲介が肥厚した状態が続いてしまうのです。治療はまず、市販の点鼻薬を断ち切り、内服薬として抗アレルギー剤と血管収縮剤の合剤(ディレグラ®)を服用してもらったり、鼻洗浄をしたり、ステロイド点鼻薬を使ったりして粘り強く症状を改善させていきます。 ただ、症状が改善しない場合には、アレルギー性鼻炎の治療と同様に粘膜下下鼻甲介骨切除術や後鼻神経切断術の適応となります。 

 

慢性副鼻腔炎 

慢性副鼻腔炎では鼻汁の量やポリープの大きさなどによって鼻づまりが引き起こされます。ファイバースコープ、CT検査、血液検査などでどういったタイプの副鼻腔炎かを診断した後、内服薬、鼻洗浄、点鼻薬などで改善をめざしますが、すでに前医などで数か月以上治療をされてきた方に対しては手術治療(内視鏡下副鼻腔手術)を早期に組み合わせることをすすめることもあります。 

 

鼻・副鼻腔腫瘍  

最近になって急に片方の鼻が詰まるようになってきた方の中には稀ですが腫瘍が原因の方がおられます。多くは良性腫瘍ですが、副鼻腔炎によってできる鼻茸(ポリープ)と見た目の区別がつかないこともあります。腫瘍が疑わしい場合は外来で一部を切除して病理組織検査を行い、CTやMRIを撮影した結果とあわせて診断します。外来で腫瘍と診断された際には大学病院等を紹介いたしますが、慢性副鼻腔炎としての手術中に疑わしい病変がみつかりその場で切除することもあります。