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重症アレルギー性鼻炎の手術:後鼻神経切断術
後鼻神経切断術(経鼻腔翼突管神経切除術)
外界から鼻に入ってきたアレルゲンや刺激物に対して反応し、その情報が中枢(脳)に伝達され、脳から鼻汁を分泌するように自律神経を通して指示がで、下鼻甲介で鼻汁を産生します。また、このような反応の連続の結果、下鼻甲介の粘膜は腫れ、鼻づまりの元となります。また、下鼻甲介に分布する知覚神経からの刺激をもとにくしゃみ中枢が反応してくしゃみもおこります。これらのシステムにはヒスタミンやロイコトリエンといった化学物質が関与しているため、その関与をブロックするのが抗アレルギー薬と呼ばれる内服薬(抗ヒスタミン薬、抗ロイコトリエン薬など)ですが、この内服薬の効果があまり無く、日常生活に大きな支障が出るレベルの重症アレルギー性鼻炎の場合、下鼻甲介に分布する神経のみを選択的に切断する手術治療という方法もあります。
手術後はしばらく鼻がつまり、少し出血が続きますが徐々におさまってきます。
ただし、稀に(約1%の確率)手術後2週間ほどが経った時に遅発性術後出血というものがおこることがありますので、術後3週間から1か月は結婚式などの重要なイベントや海外旅行等は避けていただくようにすすめています。
手術の効果
組み合わせる手術の内容の影響をうけますが、鼻汁の症状が改善したと感じる患者さんの割合は約70%です。薬が効かない重症アレルギー性鼻炎の方を対象とした手術ですので一定の効果が期待できるといえます。