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鼻とアレルギーとにおいのコラム

風邪の後の嗅覚障害:感冒後嗅覚障害

風邪をひいた後、風邪は治ったのに、においがわからないまま

わかるにおいとわからないにおいがある、、、

   

感冒後嗅覚障害

感冒後嗅覚障害は嗅覚障害を訴える患者さんの約4分の1にみられ、女性に多くみられます。

風邪の原因となったウイルスにより嗅神経が炎症をおこし、ダメージをうけてしまった状態といわれています。

   

感冒後嗅覚障害の診断と検査

「風邪の後」という明らかなきっかけがあり、副鼻腔炎や鼻炎症状が無い状態であれば疑うこととなります。

副鼻腔CT鼻腔ファイバースコープ検査で副鼻腔炎が無いか、なおっているかなどを判断します。基準嗅覚検査(T&Tオルファクトメトリー)で嗅覚の程度を判定します。静脈性嗅覚検査(アリナミンテスト)で反応をみることもあります。

(アリナミンテストで反応が無い場合、「嗅覚脱失です、治りません」と医師に言われてしまうこともあるようですが、感冒後嗅覚障害の場合はアリナミンテストの反応が無くても基準嗅覚検査で嗅覚が残っていることを確認できることもありますので基準嗅覚検査を受けられることをお勧めします)

 

感冒後嗅覚障害の治療方法

発症から1か月以内の場合:ウイルスによる神経炎を鎮める目的でステロイドの内服治療などを行います。他、ビタミンB12などの処方も行います。

発症から時間がたっている場合3か月程度で治らないからとあきらめるのは早いです。感冒後嗅覚障害は自然改善率が1年では3割程度ですが、3年近く粘っていると6割以上の患者さんに改善が認められるという報告があります。長期戦と考えてください。

漢方薬、ビタミンB12、亜鉛が含まれている薬剤、リハビリテーションなどがありますが、

これらの効果についてはまだ一部は臨床試験中ですのでこれがベストと言い切ることはできません。患者さんによって適した治療を提案することになります。

リンデロン点鼻薬をずっと続ける治療は感冒後嗅覚障害に対しては意味が無いと言われていますので、点鼻薬の治療でなかなか治らず困っている場合は一度当院や嗅覚外来のある病院で相談されることをすすめます。