任意の記事タイトルが入ります | 鼻とアレルギーとにおいのコラム | 京都駅前耳鼻咽喉科アレルギー科クリニック

京都駅より徒歩3

当院へのアクセス

menu

鼻とアレルギーとにおいのコラム

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による嗅覚障害

新型コロナウイルス感染の症状のひとつとして、嗅覚障害、味覚障害が認められることがあるという報告が相次いでいます。

最近の報告ではCOVID-19患者の方の約40%が嗅覚・味覚に異常を自覚したとされています。


嗅覚障害がなぜおこるのかについては明らかにはされていませんが、咳、熱、倦怠感などの症状が無いかあっても軽度の方であっても

嗅覚障害だけを自覚するケースもあるとのことで、症状のひとつとして注目されています。

においが全くわからなくなる場合や、異嗅症とよばれる「変なにおいがする」「今までと違うにおいがする」といった症状を自覚される方も多いです。

年齢の若い世代、女性に多い傾向があるといわれています。


急に発症した嗅覚障害に対しての当院での治療方針

発症から10日以内:

COVID-19の可能性が高いと考えて対応します。

この段階での嗅覚障害に関しては検査、治療は行いません。あくまでもCOVID-19かどうかの診断を行うだけとなります。

①院内感染予防のため受診日時の調整が必要です。

②来院時は待合室ではなく隔離スペースに電話でご案内いたします。

③PCR検査もしくは抗原検査を行います。陽性の場合は保健所への発生届を提出します。

④嗅覚検査は発症から21日以上経過するまでは基本的に行いません。

⑤(PCRで陰性であった場合は)副鼻腔炎があるかを問診、副鼻腔CT等で判断し、投薬を行うことはあります。


発症から10日以上経過→21日以内:

①熱や咳、咽頭痛などの症状が一緒におこっていないかを電話で確認します。発熱を伴う場合は隔離スペースでのPCR検査を行います。解熱している場合も解熱後72時間以内は受診を控えていただきます。

②副鼻腔CT検査を行い副鼻腔炎の有無を診断します。

④嗅覚検査は発症から21日以上経過するまでは基本的に行いません。

COVID-19による嗅覚障害は発症から1ヵ月以内に80%以上の方が回復するため、少なくともこの段階で嗅覚障害としての治療を開始することはありません。様子をみていただきます。


 

発症から21日以上経過:

通常の感冒後嗅覚障害としての治療法に準じた治療を行います。

自然改善する可能性がありますのでできるだけ発症から28日以上経過するまでは受診せずに様子をみていただくことを勧めます。

副鼻腔CT、鼻咽腔ファイバースコープ検査、基準嗅覚検査、静脈性嗅覚検査、血液検査等の検査を行います。

COVID-19による嗅覚障害に対する治療方法に関しては常に国内外からの報告をもとにアップデートして対応いたします。



嗅覚・味覚障害の治療は緊急に治療をすべき病気は無いと考えてもらって大丈夫です。

嗅覚・味覚がおかしくなってから1ヵ月程度時間がたってから受診して治療を開始したとしても遅すぎることはありません。

 

嗅覚が無いことに気が付いたら、熱がないか、倦怠感がないか、咳や息苦しさがないか、に注意しながら、できるだけ家族や他の人の近くにいないように心がけてください。

食事を一緒にとらないようにして、保健所への相談、発熱外来の受診などを検討してください。

そして、耳鼻咽喉科を受診することになりましたら、受診しようと思う耳鼻咽喉科に 必ず前もって電話で相談してください。

(上記の診療方針は当院でのものですので受診する医療機関によって対応は異なります)


COVID-19後の嗅覚障害への対応
COVID-19から回復された後にも嗅覚障害が治らない場合には一度当院を受診の上ご相談ください。

海外からの報告ではCOVID-19による嗅覚障害の89%が4週以内に自然改善すると報告されていますが(Boscolo-Rizzo P. JAMA Otolaryngol Head Neck Surg, 2020)、

逆に言うと10%近くの方は回復後も嗅覚障害が残る可能性があります。

また、COVID-19嗅覚障害の方には異嗅症状(嗅いでいる物と違うにおいがする、その場に無いもののにおいがしてくる)

治療法は確立していませんが、感冒後嗅覚障害の治療に準じて内服治療、嗅覚刺激療法などを行います。

また、従来の感冒後嗅覚障害と異なり、副鼻腔CTにて嗅粘膜が分布する嗅裂が腫れて閉塞しているような所見を示す方もいる( Chung TW. Open Forum Infect Dis. 2020 )ため、

CTにて状態を確認した後に結果にあわせて薬の内容を変更することもあります。