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鼻とアレルギーとにおいのコラム

肥厚性鼻炎に対する粘膜下下鼻甲介骨切除術:日帰りで行う鼻づまりを改善させる手術②

長年の鼻炎によって下鼻甲介が肥厚する

吸った空気が鼻の奥、副鼻腔に行きわたって効果的な加湿と空気清浄の役目を果たすために、鼻の中には「甲介」と呼ばれる粘膜のヒダがあります。

このヒダに空気がぶつかり左右や上下に振り分けられることによって空気の循環を行っていきます。

上鼻甲介・中鼻甲介・下鼻甲介という、左右3つずつ、計6つの甲介がありますが、そのうち「下鼻甲介」が最も大きく、多くの空気に触れています。

そのため、アレルギー性鼻炎などの際にはたくさんの鼻汁やくしゃみの元となったり、長年の鼻汁分泌、くしゃみをくりかえしているうちに肥厚してしまって鼻づまりをひきおこす「肥厚性鼻炎」という状態になってしまいます。


肥厚した下鼻甲介を縮める方法

すっかり肥厚してしまった下鼻甲介は内服薬で縮めることが困難です。アレルギー性鼻炎の治療薬の主役である抗ヒスタミン薬は鼻汁やくしゃみをある程度抑えますが、鼻閉(鼻づまり)にはあまり効果がありません。

血管収縮薬が含まれた市販の点鼻薬や特殊な内服薬(ディレグラ®)は肥厚した下鼻甲介を一時的に縮めてくれますが、市販の点鼻薬の連用は「薬剤性鼻炎」という「点鼻薬を使ったときだけ縮んでくれてその後更に膨れる」という状態をひきおこします。

また、ディレグラは血管収縮薬を内服し続けることになるので高齢の方にはリスクが高い薬ですし、若い方であっても一生頼り続けることは薦められません。

その他レーザー治療で下鼻甲介を「炙る」ことで肥厚した下鼻甲介を縮めることは可能ですが、効果の持続に関しては個人差があり、何度もレーザー手術を受け続けることはあまりすすめられません。また、鼻中隔弯曲症があると下鼻甲介のレーザー治療が難しかったりします。


下鼻甲介を薄くする手術(粘膜下下鼻甲介骨切除術)

長年の鼻炎によりすっかり肥厚してしまった下鼻甲介に対しては、粘膜下下鼻甲介骨切除術(内視鏡下鼻腔手術Ⅰ型)という手術により、下鼻甲介の「芯」となっている下鼻甲介骨を切除することで下鼻甲介を薄くすることが可能です。骨を取るというとみなさん驚かれますが、この骨は「庇(ひさし)」のような骨ですので取ってしまっても大きな問題にはなりません。

下鼻甲介そのものを完全に切断して取り除いてしまうと、本来の空気の流れを振り分ける役目が落ちてしまい、吸った空気が副鼻腔の中に行きわたらず加湿されないままのどに直接流れて行ってしまいます。その加減を調整するのがポイントとなる手術です。

通常、後鼻神経切断術鼻中隔矯正術などと組み合わせて一度に行うことがほとんどです。


ただ、下鼻甲介はとても血流が多い場所ですので、手術後しばらくの間は出血が続いたり、逆に鼻の中で腫れて鼻づまりになったりします。

術後1~2週間すると腫れも出血も落ち着いてきて、1か月もすると鼻の通りが良くなったことを実感できます。


当院での粘膜下下鼻甲介骨切除術は全身麻酔で行います。

手術中ののどへの血液のたれこみや、痛みなどの心配をせずに手術をうけることが可能です。